木滑のおはなし

木滑のおはなし
物語
平家物語

仏御前 ほとけごぜん のお語


「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり、・・・・・」
の出だしで有名な平家物語。
そこに、御前 と呼ばれる女性が登場します。

それは、平清盛という権力者と、
祇王(ぎおう) 、御前 という美しい女性の愛憎がえがかれた、
遠い平安の物語。

時は平家の全盛時代、さかのぼること850年前。
京の都に、清盛の寵愛を受ける祇王
権力者の前で、美しい歌舞を演じる白拍子がいました。
清盛祇王に屋敷を与え、
彼女の家族の面倒も見る程の熱の入れ様。

そこに加賀の国(今の石川県小松市原町)出身の
若い白拍子 「」 が現れます。
評判の新人でしたが、いっこうに清盛からお呼びがかかりません。
そこでは自ら、清盛のもとを訪ねます。

しかし、なかなか清盛は会おうとしません。
は、仕方なく諦めて帰ろうとします。
しかしその時、使いの者に呼び止められ、なんと清盛に会うことができました。
の歌、舞の見事さ、そして若さ美しさに、すっかり虜になる清盛

遂には祇王を追い出してまで、を手元におこうとします。
そこには些細な事から、祇王の取り成しのおかげで
清盛と会うことを許された事を知ります。
自分をとりなしてくれた、言わば恩のある祇王を、
清盛が追い出そうとしていることを知ったは、自らが立ち去ろうとしますが、
結局祇王は追われ、清盛の寵愛を受けることとなります。
一時は死んでしまおうと考えた祇王ですが、母、妹とともに尼となり、
嵯峨野の山寺(祇王寺)で念仏を唱える日々を送ることとなります。
しかし心が晴れることは無く、泣きながら毎日を過ごしていました。

ある夜半、突然、山寺の扉が叩かれました。
祇王が扉を開くと一人の女性が口を開き言いました。
「私の栄華は、もともと祇王御前が取り成してくださったおかげ。
あなた様には申し訳ない気持ちで一杯です。
この世の栄華は夢の夢。
今日やっと人目をさけて出てきました。」

編み笠を取ると、そこには尼になったの姿がありました。
は泣きながら、言いました。
「私も尼となりました。
何とか、今までの事を許していただき、一緒に念を唱えさせてください。
許していただけなければ、苔むす岩や木の根で倒れても、
命ある限り念を唱える覚悟でございます。」

そして、祇王も言いました。
「あなたを恨んだこともありました。
しかしそんな気持ちは、今消えました。
17歳の若さで尼になろうとは、私には出来ないことです。
何も無い寺ですが、さあお入りください。」

その後、4人の尼は、往生するまで念仏を唱え、心安らかに過ごしたといいます。
(おしまい)

このように、かの有名な平家物語に登場する人物、仏御前
その仏御前が、木滑に残している物語があります。

→ 木滑に残る仏御前の物語