山笑いー木滑な時間ー
2011年08月31日 水曜日これまでのイベントcomments (0)
山笑い神社市の賑わい
流しうどん


8月27日(土)~28日(日)に木滑神社参道では「流しうどん」が

行われた。流しそうめんというのであれば、夏の催し物として

よく見かける。しかし流しうどんは耳慣れない。

そのぶん期待が高まって、初日の10時開店には、もうお客

さんが並び始めた。  



白山里山商店の谷端拓雄さんが、打ち上げたうどんを細く切る。

すでにお湯もあつあつの釜にうどんを通す。ほどよいところで、

ざるにあげて冷水をかける。その手際よい姿を見ているうちに、

お客も竹樋のそばで箸を手に身構えている。


「さぁ、いくよ~」との掛け声で、するするとうどんが竹樋を

流れる。冷水を浴びてキラキラと輝いている。箸でつかむのは、

実はコツがいるのだが、先頭に陣取った子どもの真剣な箸

さばきも次第に上達。お椀のおいしそうなうどんを手に、急いで

日陰で「いただきま~す」の声々。



神社の杜から老樹の枝を抜けて涼風がおりてきて、

あたりは夏祭りの風物詩。


石積み体験


白山麓の山道を走りながら車窓に見えてくる田畑の石積み。

立ち止まってみると、どの石も歴史を経た姿で苔むし、まるで

千年もそこで田畑の土を支えているかのようだ。石は、一つ

一つ形も大きさも違うのに、仲良く手を組んで並んでいる。

石と石の間には小さな穴があり、奥まって神秘的。

土や小石や草がアクセサリーのように石の表面を飾っている。


木滑集落には、そんな石積みが多く見られ、段々に山裾を

成しながら高倉山への道や、釜の上へと続いている。

こんな石積みを、いつ、誰が築いたのだろう。

そんな謎を集落の人たちに尋ねていたとき、「この集落には

石積み名人がおる」との声。そして教えていただいたのが明地

さんの家。さっそく石積み体験のことをお願いすると、こころよく

引き受けていただけた。


8月28日の午前10時スタート。本殿の新築工事が終わった

ばかりで、まだ木の香も漂う境内奥。



先ず大きな石を両側に配して、石垣の長さと高さを決める。

さすがに石は重いので、重機で吊り上げる。



明地さんは石を見た瞬間に、石の表裏や天地を見極めて

即断で置く。



石と石がぴったりと合い、その見事な技の呼吸に全員が溜息。





参加者もおそるおそる石の前に進み、明地さんのアドバイスを

受けながら二人ががりで持ち上げて積む。

そして見事に納まると、感激もひとしお。



夢中で石を積んでいくうちに、なんと美しい石垣が出現。

信じられないくらい、それは堂々とした石積み体験の成果

だった。



明地さんに感謝の拍手を送り、参加者全員で笑顔のスナップ。

こうして何十年後に訪ねてきても、一人一人が汗を流して積んだ

石垣に出遭う喜びが生まれた。

まごうことなき木滑史の一コマともいえる。